かなり前(2010/2)にこのブログで、プロ選手のストリングスとテンションについて情報をアップしたのですが、その後ネットでATP・WTAのプロ選手の使用ストリングスとテンションの一覧表を見かけました。
が、不覚にもブックマークし忘れてしまい、その後その情報を見つけることができずにいたのですが、先日偶然にも見つけることができました。
ソースはUSのWilsonのブログのストリングマシン「Baiardo」の記事。
2011年の全豪オープンの時点でのプロ選手のストリングスとテンションの一覧表です。
この表をじっくりみてるとかなり興味深いですね。
選手のプレースタイルからはとても想像できないセッティングがされていたり、変わったストリングスを使用していたり。少しですが選手のこだわりも垣間見えるところも。
ソースとなったサイトに掲載されているオリジナルの表では、テンション表記がkg表示だったりlbs表示だったりと不統一で比較しにくかったので、すべて馴染みのある方のlbsに換算してみました。
またWilsonの営業ツールだけに、フレームの情報はなく、ストリングスとテンションだけの表記だったので、各選手の使用フレームの情報も追加し、フレーム、ストリングス、テンションとを併せて眺められるような表にしてみました。
まずATPの男子選手の表です。(表をクリックすると拡大されます)
まず、テンションについて。
意外にテンションが緩めなのがナダル、フェデラ、フェレール、フィッシュ。そのなかでも特に柔らかい設定なのがベルダスコ、ナルバンディアン、バグダディス、そしてダビデンコ。
ダビデンコはご存知のとおり、フラット系の超高速ストロークをもつ選手ですが、そのスウィングからは考えられないほどの緩め設定です。
逆に堅め設定なのがユーズニーとイスナー。この2人は高反発系のフレームを使用しているため、飛びを抑えるために高めの設定にしているのかもしれません。
あと、メインとクロスで大きめのギャップがあるのがベルダスコ。4.4ポンド差をつけてますね。
使用ストリングスについて。
意外にBabolat+Luxilonの組み合わせの選手が多いようです。
ジョコビッチ、ルビチッチ、チリッチ、バグダティス、ダビデンコ。
特にBabolaのナチュラルを使用するケースが多いようなので、選手の評価としては、Babolatのナチュラルはクオリティが高いという評価がされているのかもしれません。
こういう場合の契約は両者と締結するんでしょうね。
(ただ、両社のステンシルが同時に入っているのは見たことがないですけど...)
ちょっと変わったストリングスを使用しているのが、メルツァー、ユーズニー、ロドラ。
メルツァはIsospeed、ユーズニーはPacific、ロドラはTecnifibre(Redocode)。
ユーズニーに関しては全仏ではSignum Proのステンシルが入っていましたので、Pacificから契約変更したと思われます。
次にWTAの女子プロ選手の表です。(表をクリックすると拡大されます)
テンションについて。
女子のほうが全般的に高めの設定の選手が多いようです。
これは男子と比べてフラット系のスウィングの選手が多いからでしょうか。(実際、この表に掲載されている選手の平均値をとってみると、男子は56.5x55.7lbs、女子が57.6x56.5lbsと、女子の設定テンションの方が高めのようです)
その中でも高めの設定の選手としては、クライシュテルス、ヴィーナス・ウィリアムス、全仏女王のリー・ナ。
クライシュテルスとリー・ナは高反発系のPure Driveを使用しているからだと思いますが、とはいえ68lbsは相当堅いはずですよね。
そしてヴィーナスにいたっては低パワーのBladeを使用していますので、選手自身のパワーがスゴいということでしょうか。
また、クレイヴァノワはメインよりもクロスの方がテンションが高いセッティングになってるのは面白いですね。
次に使用ストリングスについて。
「Racquet Fuel Super」という変わったストリングスを使用しているのがペトロワ。このメーカー/製品名はまったく馴染みがありません。クレイヴァノワが使用するIsospeedも珍しいですね。
キリレンコはフレームと同じくYONEXのストリングスを使用していますが、WTAの選手でYONEXのストリングスを使用しているのは少ないですよね。
同じYONEXのフレームの契約選手となったC.ウォズニアッキは、使用フレームが変わる前と同じストリングスを使用しているようです。(Babolat Revenge+Natural)
彼女にとってはフレームが変わることによるギャップよりも、ストリングスが変わることによるギャップの方が影響が大きいのかもしれませんね。
それにしても男女を通じてLuxilon Alu Powerのユーザーが多いことがわかります。
Alu Powerはテンションロスが大きく、寿命が短いストリングスとよくいわれますが、アマチュアと違い、試合直前に張り上がりほやほやの状態で使用するプロ選手にとってはテンションロスは関係ないんでしょうね。
▼ ソース: Wilson Tennis' Blog (別ウィンドウで開きます)
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